LGBTQ+とメンタルヘルスで使われる用語を整理します
メンタルヘルス用語
ストレス
環境からの圧力に対する身体や心の反応。長期間続くと健康に悪影響を及ぼす可能性あり。
うつ病
悲しみや無関心、エネルギー低下などの持続的な症状を特徴とする精神疾患。
不安障害
常に過度な不安や恐怖を感じる精神疾患。
適応障害
突然のストレスや環境の変化に対応できず、心身の不調や機能の低下が現れる状態。
双極性障害
気分の波が極端に変動し、うつ状態と興奮状態(躁状態)を繰り返す精神疾患。
発達障害
幼少期から特定の能力や社会的なスキルに問題がある状態。自閉症スペクトラム障害やADHDなどが含まれる。
統合失調症
現実感覚や思考、感情の混乱を引き起こす病気。
パーソナリティ症候群
特徴や行動に問題があり、人間関係に困難を抱える病気。
解離性人格障害
自己の統合が乱れ、身体や記憶の変化を起こす病気。
境界性パーソナリティ症候群
感情の不安定性や自己イメージの問題を持つ病気。
薬物療法
精神疾患の症状を管理するための薬の使用。
精神療法
心理的な問題を解決するための専門的な治療方法。心理療法や行動療法などがあります。
心理療法
感情や思考、行動の問題を解決するための治療法。
精神療法
精神的な問題を解決するための治療法。
カウンセリング
個人の問題解決のためのサポートを提供するセッション。
認知行動療法
思考や行動のパターンを理解し、問題を改善する心理療法。
箱庭療法
砂やミニチュアを使って内面の表現や心の成長を促す心理療法。
森田療法
自律訓練法とも呼ばれ、心身の調和を図りストレスを緩和するための治療法。
公認心理師
公認心理師法を根拠とする日本の心理職唯一の国家資格。「心理に関する支援を要する者の心理状態の観察・分析」・「心理に関する支援を要する者との心理相談による助言・指導」・「心理に関する支援を要する者の関係者との心理相談による助言・指導」・「メンタルヘルスの知識普及のための教育・情報提供」を行う。
認定心理士
心理学的な専門知識と技術を持つ資格を持つ心理専門家。公益社団法人日本心理学会が認定し、4年制大学で心理学の標準的な基礎知識および基礎技能を修得している必要がある。
臨床心理士
心理的な問題や障害の診断・治療を行う資格を持つ専門家。公益財団法人・日本臨床心理士資格認定協会が実施する資格審査(試験)に合格することで取得できます。受験資格は大変厳しく、最低でも協会が指定する大学院の全課程を修了する必要がある。
心理カウンセラー
カウンセリングや心理療法を用いて、相談者が悩みを解決できるよう支援する職業です。心理士ほか、民間団体の通信教育等で民間資格を取得して行うひともいる。
社会福祉士
社会的な問題や困難に対応し、福祉支援を行う専門家。
バーンアウト
長期間の過労やストレスにより心身が疲弊し、仕事や日常生活に対する意欲やエネルギーが低下する状態。
希死念慮
自殺の念や考えが頻繁に浮かぶ状態。
自己効力感
自分自身の能力を信じ、目標達成や困難克服に対する自信を持つこと。
自尊心
自分自身に対する肯定的な評価や尊重の感情。
マインドフルネス
現在の瞬間に意識を集中し、過去や未来への執着を減らし、受け入れることに焦点を当てる練習。
セルフケア
自分自身の健康や幸福を促進するために自主的に行う活動や習慣。
DSM-5・ICD-11
精神疾患の診断基準を提供する国際的な分類システム。DSM-5は米国のもので、ICD-11は世界保健機関(WHO)が採用したものです。
セクシャルマイノリティ用語
LGBTQ+
L:レズビアン(女性同性愛)、G:ゲイ(男性同性愛)、B:バイセクシャル(両性愛)、T:トランスジェンダー(性別移行者)、Q:クィア(風変わりな人)、クエスチョニング(性別が定まらない人)、+:その他多くの性別をの頭文字をとって表した物、LGBTsともいう。表現できるセクシャリティが狭いのが難点、いまは+に当たる人達も膨大にふえている。
SOGIESC
性的指向:SO (Sexual Orientation)、性自認:GI (Gender Identity)、性表現:E (Gender Expression)、身体的な性:SC (Sex Characteristics)の頭文字をとって表現したもの。LGBTQ+とちがって誰にもあるものでもあり、男女二元論的に表現しないでも良いと言われている。LGBTQ+にかわって注目されてきている。
セクシャルマイノリティ(セクマイ)
性的少数者のことを表現するが、いわゆるSMのようなフェティズムは含まない。ただし、不倫だってマイノリティじゃないかという意見から、なにをもってセクマイというのか、そもそもマジョリティなんているのかという議論もある。
カミングアウト
自身がLGBTQ+であることを他人に告白する行為。自分の性的指向や性自認を公にすること。
アウティング
他人の同性愛や性自認を無断で公にする行為。個人のプライバシーを侵害し、社会的な問題を引き起こす可能性がある。
同性婚・パートナーシップ制度
同性のカップルが法的に認められる、または結婚に似た権利や義務を持つことができる制度。
レズビアン・ビアン
女性が他の女性に性的、ロマンティックな興味を持つこと。レズと短くいうのは、当事者が自嘲的に使う場合をのぞいて差別的であるので注意。
ゲイ
男性が他の男性に性的、ロマンティックな興味を持つこと。場合によっては同性愛全体を指す場合もある。ホモ・おかま・オネェという表現は、当事者が自嘲的に使う場合を除いて差別的であるので注意。
バイセクシャル(バイ)・パンセクシャル
バイセクシャル(両性愛)は男女どちらかに、パンセクシャル(全性愛)は性別に関係なく人々に性的、ロマンティックな興味を持つこと。
クィア・クエスチョニング
クィアは、風変わりなという意味で、LGBTQ+全体を指す。クエスチョニングは自身の性的指向や性自認が非二元的である、または明確でない状態。どちらもQで表す。
ヘテロセクシャル・ストレート
男性が女性に、または女性が男性に性的、ロマンティックな興味を持つこと。俗称ノンケ
トランスジェンダー
生まれたときの性別と自己認識の性別が一致しない人々。性転換を希望・経験する場合もある。
シスジェンダー
生物学的な性別と自己認識の性別が一致する人々。
Xジェンダー・ノンバイナリー
男性または女性の二元的性別に当てはまらない、またはそれらの枠を超越した性自認を持つ人々。
アロマンティック、アセクシャル
アロマンティック:恋愛感情をほとんどまたは全く経験しない状態。アセクシャル:性的な魅力をほとんどまたは全く感じない状態。
ポリアモリー
1人以上の人と同時に、すべての関係者が了承した上で、愛情を持って関係を持つライフスタイルや哲学。
アライ
LGBTQ+コミュニティの支持者で、自分自身がLGBTQ+でなくてもその権利を尊重し、支援する人々。
デミジェンダー(デミガール・デミボーイ)・バイジェンダー
デミジェンダーは自身の性別を部分的に感じる状態。デミボーイ/デミガールは、それぞれ男性性/女性性を部分的に感じる状態。バイジェンダーは、自分が二つの性別を持つと感じる状態。
デミロマンティック・デミセクシュアル
深い感情的絆が形成されるまで恋愛感情・性的魅力を感じない状態。
サピオセクシュアル・サピオロマンティック
人の知性に性的・恋愛的な魅力を感じる状態。
フィクトセクシュアル・フィクトロマンティック
架空のキャラクターに対して性的・恋愛的な魅力を感じる状態。
おかま・おなべ・オネェ・ニューハーフ
おかまは女装したゲイを指す、語源は陰間で肛門性交をする男娼である。おなべは男装した女性をさす。オネェは本来、女装はしないが女性言葉をつかうゲイのコトを指したが、テレビ番組の影響で広く、女装している元男性芸能人に使う事が多い。ニューハーフはセクシャリティではなく、女装して水商売をおこなう人を表す職業名(キャバ嬢と同じ)である。いずれも当事者が自嘲的に使う場合を除いて、現在では差別用語である。
MtF・MtX・FtM・FtX
トランスジェンダーのサブカテゴリ。MtFは生物学的男性から女性へ。MtXは男性から非二元/中立へ。FtMは女性から男性へ。FtXは女性から非二元/中立への遷移を示す。
性別不合(性同一性障害・GID)
自己認識の性別と生物学的な性別が一致しない状態。
性的指向
性的またはロマンティックな魅力を感じる対象の性別。
性同一性・性自認
自分がどの性別に属するかという内面的な感覚。
性表現
外見、振る舞い、言葉遣いなどを通じて他人に示す自身の性別。
性的特徴・性分化疾患(DSDs)
性的特徴:男性または女性としての生物学的な特徴。性分化疾患(DSDs):身体の性的特徴が男性とも女性とも一致しない状態。生物学的な性別との不一致が見られる。インターセックス
ホモフォビア
同性愛者に対する差別や恐怖。これは拒否、偏見、暴力などの形を取ることがあります。
トランスヘイト
トランスジェンダーの人々に対する憎悪や差別。理解不足や偏見がこの種の差別を引き起こすことがあります。
TRA・TERF
TRA(Trans Rights Activist)はトランスジェンダーの権利活動家を指します。TERF(Trans-Exclusionary Radical Feminist)は、トランスジェンダー女性を女性から除外する傾向のある急進的なフェミニストを指します。
ボイ・フェム
「ボイ」は男性的なスタイルを持つレズビアンを、「フェム」は女性的なスタイルを持つレズビアンを指す。
タチ・ネコ(受け)・リバ
「タチ」は性行為で積極的な立場、「ネコ」は受け身な立場を、「リバ」はその役割が交互に変わることを指す。
発展場・アプリ
「発展場」はLGBTQ+コミュニティの出会いの場所、「アプリ」はそれをオンラインで実現するツールを指す。
新宿二丁目
日本の東京都新宿区にある、LGBTQ+コミュニティにとっての重要な集まりの場所。
フェミニズム用語
フェミニズム(Feminism)
男女平等を主張し、女性に対する社会的、政治的、経済的な差別を撤廃しようとする運動です。社会の全ての領域で、すべての人が同じ権利と機会を享受できるべきだと考えます。性別に基づく偏見や制約に対抗し、人々の自由と平等を実現することが目標です。フェミニズムの理念を支持し、性別に基づく不平等を排除するために活動する人をフェミニストという。
ジェンダー(Gender)
ジェンダーは、個人が社会的、文化的な角度から男性か女性かを自己識別する概念です。生物学的な性(Sex)とは異なり、ジェンダーは個々の文化や社会が定める「男らしさ」「女らしさ」の役割や期待に関連します。それは性別自認や性別表現、社会的性別役割などを含みます。ジェンダーは流動的で、バイナリ(男性/女性)に限定されず、非バイナリ、ジェンダーフルイドなどと自己識別する人々もいます。
セクシズム(Sexism)
性別に基づく差別や偏見のことを指します。これは男性優位性や性別役割の固定観念を含む、女性や性別マイノリティに対する貶める行動、言説、制度などを含みます。セクシズムは、職場での機会の不平等、賃金格差、性別に基づく暴力など多くの形を取ります。誰もが平等で公正に扱われるべきだという基本的な人権に反するもので、社会全体の進歩を妨げる存在とされています。
パトリアーキ(Patriarchy)
男性が支配的で、女性やその他の性別が二次的な地位を持つ社会体制を指します。これは家庭から職場、政治まで、あらゆる社会的領域で男性が権力と制御を握ることが特徴です。この体制は女性や性別マイノリティへの差別や不平等を生むことが多く、その撤廃がフェミニスト運動の主要な目標の一つです。
ミソジニー(Misogyny)
女性に対する強い嫌悪、蔑視、あるいは偏見のことを指します。これは言葉、行動、態度、社会構造の中に見られ、女性を下位に見るまたは排除する傾向を含みます。ミソジニーは性差別の一形態であり、平等な社会を構築するためには、認識し、挑戦し、克服する必要があります。
インターセクショナリティ(Intersectionality)
インターセクショナリティは、個人のアイデンティティが複数の社会的カテゴリー(性別、人種、クラスなど)に交差し、それにより経験する差別や特権が重複、相互作用する考え方です。この理論は、社会の不平等は単一のカテゴリーでは理解できず、多元的な視点が必要であることを示しています。
ジェンダー平等(Gender Equality)
すべての性別が社会的、経済的、政治的な機会と権利に対して平等にアクセスできる状態を指します。これは教育、雇用、健康、権利といった領域における差別の撤廃を含みます。ジェンダー平等は社会進歩の基本的な要素であり、持続可能な開発目標の一部ともなっています。
エンパワーメント(Empowerment)
個々人が自己決定と自己実現を達成するための力を得る過程を指します。これは、自信と自尊心の向上、権利と機会の平等なアクセス、自身の人生やコミュニティの制御を増すことを意味します。特に、社会的に無視され、排除されたグループが自身の状況を改善し、声を上げる力を持つことを促進するために重要です。
ジェンダーバイアス(Gender Bias)
性別に基づく先入観や偏見を指します。これは、男性または女性の能力、価値、性格についての不公平な仮定を生む傾向を示します。ジェンダーバイアスは職場、教育、医療などの多くの領域で見られ、性別による差別と不平等を引き起こします。個人の実際の能力や適性を無視し、性別ステレオタイプに基づいて判断がなされることがあります。
マンスプレイニング(Mansplaining)
男性が女性に対し、女性が既に知っているか、あるいは女性がもっと詳しく知っている主題について、自己満足的かつ説教的に説明する行為を指します。この行為は、女性の知識、経験、能力を過小評価する形で、性別に基づく偏見やパワー不均衡を反映しています。
クォーター制(Quota System)
特定のグループの代表性を確保するために定められた最小限の割合や数量を指します。これは、政治、教育、雇用など様々な領域で用いられ、マイノリティや歴史的に差別されてきたグループの参加と公平性を促進するために設けられます。例えば、ジェンダークオータは女性の代表性を確保する一形態となります。
ボディ・ポジティビティ(Body Positivity)
全ての人が自分自身の体を愛し、尊重し、肯定的に認識する権利を主張する運動です。これは、社会的に課された「理想的な」体型に対する挑戦であり、体型、サイズ、年齢、人種、性別、障害などに関係なく、自分自身の体を肯定的に受け入れることを奨励します。
ルッキズム(Lookism)
ルッキズムは、外見に基づく差別や偏見のことを指します。これは身体的特徴、体型、美的基準から逸脱する者への不公平な扱いを含みます。ルッキズムは職場、教育、メディア、日常生活など広範な領域で見られ、個々人の価値を外見に基づいて評価する社会的な圧力を生み出します。
MeToo / KuToo
“MeToo”運動は、性的ハラスメントと性暴力に対する意識を高め、被害者の声を共有するための世界的な運動です。日本の”KuToo”運動は、女性が職場でハイヒールを履くことを強制されることに抗議する運動で、これもまた性別に基づく不公正を指摘し改善を求めるものです。これらの運動は性別平等と尊厳の推進を目指しています。
ウーマンリブ(Women’s Liberation)
女性の権利を主張する運動で、性別に基づく不平等の撤廃を求めました。しかし、後のフェミニズムはウーマンリブが主に白人中産階級の女性の経験に焦点を当て、他の人種や階級の女性の経験を十分に考慮していないと批判しました。これはインターセクショナリティの概念を生み出し、多様な女性の声を聞く現代フェミニズムの発展に寄与しました。
家父長制
家父長制は、社会や家庭で男性が主導的な地位を占め、女性や性別マイノリティが二次的な地位に置かれる体制です。これにより、教育、職業選択、身体の自主性、政治参加など、多くの領域で女性の権利と機会が制限されます。フェミニズムはこの体制の撤廃を目指し、全ての性別に対する平等と自由を追求しています。
恋愛と家族
恋愛と家族は個々の女性に大きな影響を及ぼすものです。恋愛は自己理解や自己価値感に影響を与え、家族は社会的役割や期待を形成します。しかし、これらはしばしば性別ステレオタイプや性別に基づく不平等を強化する場ともなり得ます。例えば、家事や育児を主に女性の役割とする社会的期待は、女性のキャリアや個人的選択を制限する可能性があります。
男性学用語
マスキュリズム(Masculism)
男性の権利強化や男性が直面する社会的課題への注意を促す思想や運動。男性学
ホモソーシャル(ホモソ)
女性と同性愛(ホモセクシュアル)を排除することによって成立する、男性間の緊密な結びつきや関係性を意味する社会学用語
ホモフォビア
同性愛や同性愛者のコミュニティに対する嫌悪感や偏見、恐怖心を持つ人のことを指すが、差別的な態度や行動そのものを表す言葉
トキシックマスキュリニティ(Toxic Masculinity)
男性らしさのステレオタイプの有害な側面を指し、無理な強さや感情の抑制などを含む。
メンズライツ(Men’s Rights)
男性が直面する法的、社会的な不公平や不平等に対抗する運動を指す。
マスキュリン(Masculine)
社会や文化が定義する「男らしさ」や「男性的」な性質や行動を指す。
ヘテロノーマティビティ(Heteronormativity)
異性愛を「正常」や「デフォルト」と見なす社会的な前提や枠組み。
マンスプレッド(Manspreading)
男性が公共の場所で自分の足を大きく広げて座る、他人の空間を侵す行為。
メール・ゲイズ(Male Gaze)
メディアや芸術が男性視点から描かれる傾向、特に女性を男性の視覚的な快楽の対象とすること。
父親の権利(Father’s Rights)
父親の子供に対する親権や面会権を主張する運動、特に離婚や別居後の状況を指す。
男性不利(Male Disadvantage)
男性が教育、健康、法律などで直面する不平等や不利な状況を指す。
インセル(Incels)・非モテ男性
恋愛や性的な関係から自己選択的に除外されたと感じる主に男性のオンラインコミュニティ。
ミサンドリー(Misandry)
男性への強烈な侮蔑や憎悪を表す言葉。これはしばしば男性全体に対する偏見や敵意を指す。