このページではLGBTQ+とメンタルヘルスの関係について考察します。医療の専門家による監修・執筆ではないので、専門的は判断・診断は、医療機関にて行うようにしてください。
LGBTQ+とメンタルヘルス
LGBTQ+を自認している人は、その生きずらさ、働くことへの困難から、メンタルに支障をきたす人がすくなくありません。とくにトランスジェンダーで希死念慮を抱いたことある人は70%を超えますし、自殺未遂を経験したことのある人も30%を超えています。メンタルに問題のあるひとは、LGBTQ+の割合は20~30人に1人とされ、LGBTQ+を自認しない人より、その割合は多いと言われています。
一方、もともとメンタルに支障の合った人が、その悩む仮定で、その原因にLGBTQ+があったのだと気づく人達もいます。発達障害と性別不合(性同一性障害)の合併などは有名ですが、性同一性障害の診断においては、統合失調症や解離性人格障害から、性別不合を誤認している可能性もあるので、詳細な診断が必要です。
いずれにせよ、同性愛は1980年代に、性別不合は2000年代に、WHOの病理リストであるIDCにおいて精神病のカテゴリーから外されて、非病理化されていますので、これら自体を精神病と扱うのはもっとも避けなければなりません。しかし、それが故にいきづらさを感じ、適切な治療が必要としている人達が多いということは認識する必要があります。
主な疾患
LGBTQ+がかかる病気には様々なものがありますが、医師の適切な診断で把握したほうがよいのでここでは疾患名は上げません。ただし、各人の置かれた状況で、いろいろ傾向はあるようです。
主な治療方法
- 薬物療法
- 心理療法(カウンセリング)
- 認知行動療法(マンツーマン、集団)
- 光療法、日光を浴びること
- 電気けいれん療法
- リズムよく生活すること、しっかり寝ること
- 軽い定期的な運動(ヨガ、ウォーキング)
- 瞑想(ヴィパサーナ、マインドフルネス)
- リワークプログラム(軽快してきて社会にもどるとき)
- 就労支援(うつや発達をかかえながら終了をしようと考えているとき)
支援してくれる人達・制度
- セクシャルマイノリティに理解のある心療内科、精神科、ジェンダークリニック
- 市町村の障害支援センター
- 市町村の社会福祉協議会
- 就労支援事業所
- LGBTQ+とメンタルヘルスを扱っている自助団体(カラフル@はーとなど)
- LINEや電話での相談窓口(QWRCやよりそいホットライン、LGBTQ+法律相談など)
- 精神障害者手帳(バスが半額になったり、映画が割引きになる)
- 障害者年金(障害の度合いにあわせて、年金が支払われる)
- 自立支援手帳(比較的長期間の治療になる精神疾患の医療費を補助してくれる。収入によっては無料にも)
- 生活保護(本当に苦しい場合は、休むために選択するのもあり、診断書があれば比較的認められやすい)
最後に
メンタルヘルスを独りで抱えて苦しむのは、病気をどんどん悪化させるだけです。勇気をだして、安心安全な第三者に打ち明けることから、その苦しみは和らいでいきます。とくに現代では薬の発達が著しく、正しい診断のもと、薬物治療をうければ、一般就労が可能なぐらいまでは改善することもおおいです。まずは独りでかかえず、誰かに頼ってみてください。